男性下着の構成繊維とその特徴

このページでは、男性下着を構成している繊維の種類や、織り方と編み方の特徴、推測される着用感などを解説しています。
ネットショップで下着を購入する際、デザインだけで購入すると、イメージしていた履き心地と大きく異なってしまうことがあります。
下着を構成する繊維や織り方を見て、ある程度の履き心地を推測できるようになれば、そんな間違いも減るのではないかと思いますので、このページで繊維に関する知識を身に付けておきましょう。
構成繊維と混紡割合が掲載されていないショップでは、絶対に買わない方が良いです。
構成繊維について
男性下着の構成繊維には、大きく分けて、植物繊維、動物繊維、合成繊維、再生繊維(天然繊維の加工品)の4種類があります。
植物性繊維と動物性繊維を天然繊維と言い、合成繊維を化学繊維とも言います。
織り方では、主に平織、綾織、朱子織、オックスフォード織り、シャンブレー織り、ブロード織りなどの種類があり、編み方では、メリヤス編み(平編み/天竺編み)、鹿の子編み、フライス編(リブ編み/ゴム編み)、ワッフル編み、リバーシブルメッシュ編み、ハニカムメッシュ編み、裏起毛編みなどの種類があります。
それぞれの特徴は、次章でまとめてあります。
下着の構成繊維は、織りで構成されているものと編みで構成されているものがあることを知っておきましょう。
繊維の風合いは、主に繊維の織り方や編み方に因るところが大きいのです。
構成繊維の種類と特徴
コットン(綿)/【植物繊維】
長 所
通気性や吸湿性、放湿性に優れる。
繊維の織り方で、冬暖かくもなり、夏涼しくなもなる万能繊維である。
耐久性がある。
短 所
摩擦によって毛羽立つため、白化し易い。
縮み易くしわになる。
シルク(蚕)/【動物繊維】
長 所
繊維が細いため肌触りが抜群に良い。
素肌に最も優しい。
短 所
日光により変色する。
摩擦に弱く白化し易い。
吸湿性、耐久性が低い。
水分により色落ちし易い。
ナイロン(石油)/【合成繊維】
長 所
強度があり磨耗に非常に強い。
汚れが落ちやすく、速乾性が高い。
しわになりにくい。
短 所
吸湿性が低く静電気が発生し易い。
日光により変色する。
耐熱性が低い。
ポリエステル(石油)/【合成繊維】
長 所
強度があり磨耗に非常に強い。
速乾性が高い。
しわになりにくい。
短 所
吸湿性が低く静電気が発生し易い。
毛玉が出来易い。
耐熱性が低い。
ポリウレタン(石油)/【合成繊維】
長 所
伸縮性が高く、しかもゴムより強度が強い。軽い繊維。
短 所
経時的劣化があり、早いものでは約3~5年が寿命。
耐熱性が低い。
生産国により、スパンデックス、エラスチン、エラステンとも呼ばれ、単一で使用されることは無く、他の繊維と混紡で使用され、繊維にストレッチ性を与えます。
レーヨン(木材)/【再生繊維】
長 所
独特な光沢感がある。
吸湿性、放湿性が繊維の中では一番高い。
熱に強い
短 所
摩擦に弱く、しわになり易い。
水に弱い。
モダール(ブナ)/【再生繊維】
長 所
独特な光沢感がある。
吸湿性、放湿性が繊維の中では一番高い。
熱に強い
短 所
摩擦に弱く、しわになり易い。
テンセル・リヨセル(ユーカリ)/【再生繊維】
長 所
生地にハリ、コシ、弾力性がある。
上品な光沢を持ち高級感がある。
吸湿性、放湿性に優れている。
縮みにくい。
短 所
摩擦に弱く、白化し易い。
水に弱い。
キュプラ(綿花)/【再生繊維】
長 所
絹のような滑らで肌触りが良い。
シックな光沢で高級感がある。
吸湿性、放湿性に優れる。
熱に強い。
短 所
摩擦に弱く、しわになり易い。
水に弱い。
TAKEFU・竹布(竹)/【再生繊維】
長 所
肌触りがしっとりなめらか。
抗菌性、消臭性がある。
吸湿性、放湿性に優れる。
短 所
縮みやすい。
強度が低くほつれやすい。
水に弱い
繊維の風合いについて
繊維の織り方の種類と風合の特徴
織りで作られた繊維は、トランクスのような下着に多用されています。
代表的な織り方 | 風合いの特徴 |
---|---|
平織 | さらっとした肌触りです。 |
-オックスフォード織り | 軽く柔らかい肌触りで、通気性が高く夏向け。 |
-シャンブレー織り | 薄くて軽く、さわやかな肌触りで夏向け。 |
-ブロード織り | 滑らかで柔らかな肌触りで、シルクに似ています。 |
綾織 | ふくらみのあるソフトな肌触りで、伸縮性があり、しわになり難い。 |
朱子織 | 光沢があり滑らかな肌触りで、サテンとも言われます。 |
繊維の編み方の種類と風合いの特徴
編んで作られた繊維は、トランクス以外の下着で多用されています。
但し、ニットトランクスだけは、編んだ繊維を使用しています。
代表的な編み方 | 風合いの特徴 |
---|---|
メリヤス編み 平編み 天竺編み | 横方向への伸縮性が大きく、下着やTシャツなどに使われる最もポピュラーな編み方です。やわらかい肌触りです。 |
鹿の子編み | 肌に触れる面積が少なく、通気性に優れていて、夏のポロシャツなどに使われる定番の編み方です。サラリとした肌触りです。 |
フライス編 リブ編み ゴム編み | 別名ゴム編みと言われるように、横方向によく伸びて、ストレッチ性抜群の編み方です。やわらかく滑らかな肌触りです。 |
サーマルワッフル編み | 厚みが出る編み方で、四角形の凹凸面が連続する網目模様すが、縦横の伸縮性に富み、保温性が高くなる編み方です。サラリとした肌触りです。 |
サーマルハニカムメッシュ編み | こちらも厚みが出る編み方で、蜂の巣のようなメッシュの凹凸面が連続するハニカム模様ですが、保温性が高くなる編み方です。サラリとした肌触りです。 |
リバーシブルメッシュ編み | 表目が通常の天竺編み目で、裏目が変形鹿の子(メッシュ)になっています。吸水速乾素材としてドライTシャツに使用されています。サラリとした肌触りです。 |
生地素材別の着用感の特徴
コットン主体の下着
最もポピュラーな繊維で万人に好まれています。
コットンが平織で単一素材で使用されているのは『トランクスやふんどし』のようなストレッチ性のない下着で、ブリーフやボクサーパンツは、ポリウレタンが混紡されており、天竺編みやリブ編みでストレッチ性を持たせています。
夏場は適度な汗を吸収し蒸れにくく、冬場は適度な保温性もあることからオールシーズン快適に着用できますが、汗をたくさんかくようなシーンではべたつき感があります。
ナイロン・ポリエステル主体の下着
ナイロンやポリエステル系主体の下着は、ポリウレタンが混紡され、下着の定番な構成素材になっています。
ポリウレタンの混紡率が高いほどストレッチ性に富み、フィット感が高いです。
繊維自体の吸湿性は低いのですが、速乾性が高く、一度湿ったら早く乾く特性を持ちますので、夏のインナーの定番素材です。
しかし、通常の使用ならコットン主体の下着より蒸れることは間違いないので、股間が痒くなり易い人や、汗疹、湿疹が出来易い皮膚の弱い人は夏場での長時間の着用は控えた方が良いでしょう。
但し、ナイロンやポリエステルを8マイクロメートル以下の極細の繊維に加工したマイクロファイバーは、吸湿性や吸水性が劇的に向上していますので、夏でも快適に過ごせるようです。
フィット性が高い化学繊維のボクサーで股下が長いものは、夏場の風呂上がりに履くことは非常に困難で、何度も何度も足を開いて閉じてを繰り返し、パンツをずり上げるその様は傍から見ていて格好悪く見えます。
ナイロンやポリエステルの合成繊維は、セクシータイプの下着では定番の素材でもあります。
シルク主体の下着
シルクは繊維が細く、肌触りが優しい為、敏感肌の方にはお勧めな素材です。
シルクといえばパジャマのようなつるつるテカテカしたものを想像される方も多いと思いますが、下着類では光沢の出るような織り方をしていないものもあります。
夏場では、汗の吸湿性や放湿性に優れ快適に過ごせるのが特長です。
皮膚にトラブルを起こしている方には特にお勧めな素材です。
再生繊維主体の下着
履き心地や風合いはしっとり滑らかで、放湿性に優れ、高度に洗練されたものが多いのですが、耐久性においてはやや低い傾向にあるようです。
また洗濯機での洗いには向かず、お手入れのが手間がかかります。
普段履きではなく、いわゆる高価なお洒落下着のジャンルに多いですが、再生繊維の下着を仕事用、休日用に選ぶメリットはありません。
男性下着の繊維とその特徴のまとめ
男性下着を選ぶときのポイントは、構成繊維の特徴を良く理解した上で購入したいですね。
さもないとシチュエーションに合わない下着を購入してしまい、少なからず後悔することになります。
下着の構成繊維の特徴が理解できれば、大体の履き心地や着心地を推測できるようになります。
生地素材の違いに加え、織り方や編み方で大きく着用感が変わる下着は、色々試してみるのが楽しいですね。
質の良いインナーは、素晴らしく着用感が心地良いものですので、中高年の方は是非高級インナーをお試しいただければと思います。